自己嫌悪に塗れた瞳ですべてを睨みつけた。夜が墜ちてくる。ひとりのこころもとなさに胸の奥がきゅっと鳴く。自己嫌悪が嫌悪に憎悪に色を変える。(飛び降りる私を腕を攫んで放さないでててよ。)泣いた、今とこれからを生きてゆく恐怖に震えた。あいたくて会いたくて逢いたくてでもこれ以上望む事はきっと赦されないとこころの隙間風が囁くから何も言えず携帯を握りしめる。あいたいなあ、声にしたら言葉になり意味をもち熱を孕んだ。ほう、と吐息を漏らして、零れた、涙と息とさみしさと無謀を煙で濁す。(こんなのなんの慰めにもならない)。助けてなんて言えないから、言葉足らずの「ありがとう」を口唇に載せたんだ。はらっと落ちた笑顔に安心をしてどうか終わってしまわない事を月に願った。(大人になった)。気づかないうちに世界は進み、こころも身体も揺れて動き成長してゆく。


触 れ る 間 も な く 言 葉 を 手 折 る



[ 2010/01/03 ]