あまりの純粋さに、眩暈がする。
 透明が過ぎるまろやかさに、震えた指先とコップに添えた潔さ。
 愛すだけでいいと思いながら、愛されたいと願うのは愚かな事だろうか。
 私の指は短くて爪は丸い。足の爪だけをささやに伸ばして、少しばかりの抵抗。でもたぶん誰も知らない。
「受けとめるよ」
 彼の言葉に、私はありがとうと言って泣いた。


 運命や偶然や神様を信じてしまう、幸せな幼き愚か者。そんな一途な馬鹿でいい。



(愚か者/20091205/深夜、charaを聴きながら。)