壊れそうに小さな心を抱きしめる。そのためか、心は泣いた。だから私も泣いてあげた。
 しばらくして心は煙草に火を落とし、
 深く深く煙を吸った。
 小さな心はいとも簡単にそれを受け入れ、
 小さな心はこともなげにため息をつき、
 小さな心はそうして絶えた。
 深い海の底で小さな心が震えている。
 小さな心は小さなまま、
 私もそれを抱いたまま、
 時とともにこの路を刻む。



(命/20091204/六本木のあるカフェに。)